2017年に始まった「UK Elite Mini Conference」は、高い発信力を持つイギリスのインフルエンサーが年に一度、一つの場所に集結するというイベントだ。今年は交通部観光署(日本の観光庁に相当)ロンドン事務所の働きかけにより、初めて台湾への誘致に成功した。その結果、人気の旅行系ブログ「The Curious Pixie」のSima Sthanakiyaさん(インスタグラムのフォロワー32.2万人)や、「The Ginger Wanderlust」のEllie Greenさん(インスタグラムのフォロワー32.2万人)、YouTubeチャンネル「Backpacking Bananas」のChristianne Rismanさん(チャンネル登録数20.8万人)など、イギリスのSNSインフルエンサーや旅行系ブロガー、旅行系映像クリエイターなど合計22名が2月8日から14日まで台湾各地を旅してまわった。一行はさまざまな角度から台湾が持つ豊かな文化と自然景観を楽しみ、それぞれのSNSで情報を発信し、台湾が持つ独特の魅力を世界中のファンたちに伝えることになっている。
一行がまず訪問したのは宜蘭県にある国立伝統芸術中心。両足を使って「船碾」(日本の薬研=やげんに類似)を回し、薬をすりつぶす昔ながらの手法を体験した。また、製茶や「青花瓷」(藍色の柄を焼きつけた陶磁器)の絵付けなども体験。さらに、無色無臭の炭酸水素ナトリウム泉が楽しめる礁渓温泉にも足を運び、台湾式のリラクゼーションを楽しんだ。ほかにも、海岸沿いの遊歩道「象頭角歩道」を歩いたり、台北101ビルの展望台(89階)と101階の「世界最高秘境花園」、円山ホテル(グランドホテル)の地下トンネルなども体験。クライマックスは「台湾ランタンフェスティバルin桃園」の点灯式で、観光署の周永暉署長から一人ひとりにメインランタンをデザインした「小紅包」(お年玉のポチ袋)が配られた。インフルエンサーたちはそれぞれに台湾の伝統行事が持つ世界レベルの魅力を楽しんだほか、桃園市観光旅遊局の周柏吟局長から地元の特産品などがプレゼントされた。
なお、台北101は年越花火でも世界的に知られることから、海外の旅客からも人気のスポットの一つだ。英国からやってきたインフルエンサーたちも台北101ビルには興味津々の様子で、高速エレベーターで一気に展望台まで上がり、台北の全景を俯瞰したほか、世界最大の耐震装置である巨大な球体「ダンパー」を見学し、台北101がいかにして強風や地震による揺れを緩和しているかを知った。台北101では観光署の林信任副署長と台北101の董事長を務める女優の賈永婕(ジャネット・チア)さんも登場し、インフルエンサーたちを歓迎した。
林信任副署長は、「台湾は豊富な観光資源と独自の文化的魅力を持つ。英国のインフルエンサーの年度行事である『UK Elite Mini Conference』の開催地として台湾が選ばれたことを大変光栄に思う。このイベントを通じて世界中の旅行者が台湾を深く理解し、壮麗な自然景観や賑やかな都市の風景から、奥の深い伝統文化とグルメに至るまで、台湾の多様な魅力をさらに発掘することを期待している。コンテンツクリエイターたちの視点と影響力によって、台湾の素晴らしいストーリーが世界に広められると信じている。これによって、より多くの海外の旅行者が台湾のユニークな魅力とホスピタリティを求めてやってくることになるだろう」と期待を寄せた。